●吼える3● -黒帯への挑戦!- |
■石巻かほく『つつじ野』、空手道修行編③・完 あごひげ 学時に必ず言う言葉がある。「親がいいと思ってやらせることが大切」であり「子供に左右されるようでは、たとえ入門しても長続きはしませんよ」と。入門した当初は、帯をどこかに落とし、胸をはだけて道場内を縦横無尽に走り回り遊ぶ。「さあ、けいこ」と声をかければ「オラ、あしたの朝まで腹いでんだおん(痛いんだよ)」→これは最近一番の名セリフ。すみっこの方に正座をし「足にキズがあるから」とほんとに痛そうに手をやる・・・。十級から階段を上るようにして一級を迎える。早い者で三-四年、遅い者で七-八年もかかる。黒帯への道のりは決して平たんではない。継続にあたり障害となるのは、親たちの焦り、プライド、ジェラシー。「継続は力なり」。言うはやすいが行うは非常に難しいですね。 昇級審査受験の有無は実力で判断される。受けられないと分かって「うちの子は素質がない」と、親のほうがショックを受けたりする。子供が上手だと親は天狗(てんぐ)になり、下手だと親は卑屈になりやすい。この場合、子供を救う手だては親への一喝になる。黒帯目前にして、けいこの厳しさの前に挫折し去っていく者もある。しかし、一つ一つの心の壁こそ大事な修行にしていかなければ、「身体は大人でも、心はいつまでも子供」ということにはなりはしないかと思います。黒帯もまた階段の一段にすぎず、まして、水戸黄門の印籠(いんろう)のように「これが見えぬか」と、腰に巻いて人生を闊歩(かっぽ)できるはずもない。世も世、道場の掲げる『世界を担う人づくり』に、「かわいい子に旅をさせる」氣持ちで、子育てに参画していただきたいのです。子供達には、「心の黒帯」こそしっかり締めてもらいたいな・・。 何はともあれ、空手道初段となり晴れて黒帯を締めた日、たいていの子供たちはその黒帯をまくら元に置いて寝るか、抱きしめて寝るそうだ。 |
by kancho39
| 2005-12-04 23:43
| ◆あごひげ吼える!
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